残業を終え、ようやく自分の時間が持てるのは深夜。FXで資産運用を夢見る会社員の私にとって、「夜中のFXは危険」という言葉は常に頭をよぎる不安でした。疲れと期待が入り混じる中、チャートを前にスマホを握りしめ、「この時間しかできないのに、本当に稼げないの？」と自問自答する日々。
一体、深夜のFX市場にはどんな危険が潜んでいるのでしょうか。先日、FPの友人である健太さん（仮名）に相談した際、彼は深夜のFX市場を「深夜の高速道路」に例えてくれました。「日中は多くの車が行き交うから、多少の事故があっても全体が止まることは少ない。でも、深夜は車が少ない分、一台の事故が大きな混乱を招きやすいだろ？FXも同じで、市場参加者が少ない時間帯は、ちょっとした注文でも値動きが大きくなりやすいんだ」と。
この言葉に、私はハッとしました。過去に私も、深夜の不安定な値動きと急激なスプレッド拡大に翻弄され、ロスカット寸前まで追い込まれた苦い経験があります。「まさか、こんなに早く…」「このままじゃ、家族に申し訳ない…」あの時の絶望感と後悔は、今でも忘れられません。
しかし、健太さんは「諦めるのはまだ早いよ。深夜の市場にも、会社員が安全に取引できるチャンスはある。ただし、正しい知識と戦略が必要だ」と教えてくれました。彼が強調したのは、深夜・早朝の市場特性を理解し、それを逆手にとる戦略です。
まず、流動性の高いドル円やユーロドルといった主要通貨ペアを選ぶこと。これにより、スプレッドが極端に広がるリスクを減らせます。次に、数時間から数日かけてポジションを保有するスイングトレードや、深夜のうちに決済するデイトレードに限定すること。値動きが不安定な深夜に、短時間で決済を繰り返すスキャルピングは初心者には特に危険です。
そして最も重要なのが、指値注文と逆指値注文（損切り）を必ず設定すること。深夜の急な値動きから自分の資産を守るために、これは必須の対策です。また、重要な経済指標発表時は、無理に取引せず、様子見に徹する勇気も必要だと健太さんは力説しました。
会社員が比較的安全に取引できる時間帯としては、東京市場の午前中（9時〜12時頃）、ロンドン市場オープン直後（日本時間16時〜18時頃）、そしてニューヨーク市場オープン直後（日本時間21時〜23時頃）が挙げられます。特に帰宅後のニューヨーク市場オープン直後は、最も流動性が高く、仕事と両立しやすい時間帯と言えるでしょう。深夜しか時間が取れない場合は、ニューヨーク市場の後半から東京市場の早朝にかけての動きに注目しつつ、リスク管理を徹底することが求められます。
かつてロスカット寸前まで追い込まれた私ですが、健太さんのアドバイスのおかげで、今では無理なくFXと向き合えるようになりました。深夜のFXは確かにリスクを伴いますが、闇雲に恐れる必要はありません。正しい知識と戦略、そして適切なリスク管理を身につければ、会社員でもFXで賢く資産を増やすことは可能です。まずはデモトレードから、深夜の市場を体験し、自分に合った取引スタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
田中恵子（仮名）| 38歳 | 会社員（事務職）| FX歴3年 | 日中仕事で忙しい中、深夜にFX取引を始め、一度大きな損失を出しそうになった経験を持つ。FPの友人のアドバイスで取引戦略を見直し、現在は無理のない範囲で安定的に運用中。同じ悩みを持つ会社員の方々へ、自身の経験と学びを共有したいと考えている。