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建設キャリアアップシステム(CCUS)活用、メリットある?現状とこれから


「CCUS(シーシーユーエス)? ああ、なんか登録しなきゃいけないって話、聞いたことあるな…」
「建設キャリアアップシステムとかいうやつでしょ? でも、正直、何のためにあるのか、ウチにメリットがあるのか、さっぱり分からんのだよ…」
「登録とか運用とか、なんだか面倒くさそうだし、様子見でいいのかな…?」

社長さん、建設キャリアアップシステム(CCUS)、名前は聞いたことがあっても、その実態や自社への影響について、イマイチ掴みきれていない…という方も多いのではないでしょうか? 業界の新しい動きについていくのも一苦労ですよね。本当にお疲れ様です。

この記事では、そんな社長さんのために、建設キャリアアップシステム(CCUS)とは一体何なのか、登録するとどんなメリットが”期待されている”のか、そして現状の課題や今後の見通しについて、難しい言葉をなるべく使わずに、客観的な情報として分かりやすく解説します。「よく分からないから…」と敬遠する前に、まずはどんなものなのか、一緒に概要を掴んでみませんか?

そもそも、CCUSって何なの?【超ざっくり解説】

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、国が進めている取り組みで、すごく簡単に言うと、建設業界で働く技能者(職人さん)一人ひとりの「経験」や「資格」を、業界共通のルールで記録・蓄積していくシステムのことです。

目的は?

  • 頑張って経験を積み、資格を取った職人さんが、ちゃんと評価されるようにしたい。
  • その評価が、給料などの待遇改善に繋がるようにしたい。
  • 若い人が将来の見通しを持って働ける、魅力的な業界にしたい。

どんな仕組み?

  1. 技能者(職人さん): ICチップ入りの「技能者カード」を作ります。ここには、本人情報や保有資格などが登録されます。
  2. 事業者(建設会社): 会社としてCCUSに登録します。
  3. 現場での記録: 現場に設置されたカードリーダーなどに技能者カードをタッチして、「いつ、どこの現場で、どんな作業をしたか」という就業履歴を記録・蓄積していきます。

(ここに、技能者カードとカードリーダーの簡単なイラストや、仕組みのフロー図を入れるイメージ)

この蓄積された情報によって、職人さんのスキルや経験が「見える化」され、客観的に評価できるようになる、というのが基本的な考え方です。

で、登録すると「いいこと」あるの?【期待されるメリット】

CCUSに登録・活用することで、どんなメリットが期待されているのでしょうか? 技能者側と事業者側の両面から見てみましょう。

【技能者(職人さん)側の期待メリット】

  • 自分のスキルや経験が証明できる: 転職や応援に行った際など、自分の能力を客観的に示しやすくなる。
  • キャリアアップの道筋が見える: 経験や資格に応じてレベル分けされるため、目標設定がしやすくなる。
  • 待遇改善につながる…?: 将来的には、CCUSのレベルに応じて給与が決まるなど、適正な評価と処遇に繋がることが期待されています。

【事業者(会社)側の期待メリット】

  • 雇用する技能者の能力を客観的に把握できる: 採用時や社内での評価に役立つ可能性がある。
  • コンプライアンスのアピール: CCUSに登録していることで、社会保険加入など、法令遵守に取り組んでいる会社であることを対外的に示しやすくなる。
  • 公共工事での加点措置: 一部の公共工事では、CCUS活用企業に対して入札時の加点措置が導入されています。(※自治体や工事内容によります)
  • 人材育成への活用: 社員のスキルレベルを把握し、計画的な育成や資格取得支援に役立てられる。
  • 元請けからの要請に応えられる: 大手ゼネコンなど、元請けからCCUSへの登録や現場での運用を求められるケースが増えています。

ただし、これらはあくまで「期待されているメリット」であり、現時点ですべての企業や技能者が実感できているわけではない、という点に注意が必要です。

とはいえ、現状はどうなの?【現場の声・課題】

期待されるメリットがある一方で、CCUSの普及・活用には、まだいくつかの課題があるのも事実です。現場からは、こんな声も聞こえてきます。

  • 「登録・運用がとにかく面倒くさい!」:
    事業者登録、技能者登録、現場登録、日々の就業履歴の登録・承認… やることが多く、特に事務担当者が少ない中小企業にとっては負担が大きい。
  • 「現場でのカード読み取りが徹底されていない…」:
    カードリーダーの設置場所が遠い、タッチし忘れる、そもそもリーダーが設置されていない現場もあるなど、就業履歴が正確に蓄積されないケースがある。
  • 「で、結局メリットがよく分からない…」:
    登録しても、すぐに給料が上がったり、仕事が増えたりするわけではないため、「何のためにやっているのか?」と疑問を感じる声も。特に待遇改善への反映は、まだこれからの課題です。
  • 「費用負担もバカにならない…」:
    事業者登録料、技能者カード発行料、現場利用料、場合によってはカードリーダーの購入・レンタル費用など、コストがかかる点も、特に小規模事業者にとってはネックになります。

このように、理想と現実の間には、まだギャップがあるのが現状と言えるでしょう。

じゃあ、結局どうすればいいの?【今後の展望と考えるヒント】

「メリットも課題もあるのは分かったけど、結局、ウチはどうすればいいんだ?」
社長さんが一番悩むのはここですよね。

【今後の流れ(予測)】

  • 国は普及を強力に推進: CCUSは国の施策であり、今後も様々な形で普及促進策がとられる可能性が高いです。
  • 公共工事では必須の流れに?: 公共工事においては、CCUSの活用が評価される、あるいは必須となる流れは、今後さらに強まる可能性があります。
  • 民間工事への波及も?: 大手を中心に、元請け企業が下請け企業に対してCCUSへの登録・運用を求める動きは、民間工事にも広がっていく可能性があります。

【社長が今、考えるべきこと】

CCUSに登録するかどうか、どう活用していくかは、最終的には各社の経営判断になります。以下の点を考慮して、自社にとっての必要性を見極めましょう。

  • 自社の事業内容: 公共工事の比率は高いか? 元請けからCCUS対応を求められているか?
  • 従業員の状況: 技能者の年齢構成や資格保有状況はどうか? 人材育成にどう活かせそうか?
  • コストと手間のバランス: 登録・運用にかかる費用や手間と、それによって得られる(かもしれない)メリットを天秤にかける。
  • 「様子見」も一つの選択肢、でも情報収集は怠らない: すぐに登録しなくても、業界の動向や元請けの意向、成功事例などの情報収集は続け、適切なタイミングで判断できるように準備しておくことが重要です。
  • 登録企業の事例を参考にする: 周囲の同業者や、建設業団体の情報などを通じて、実際にCCUSを活用している企業の事例(どんなメリットがあったか、どんな苦労があったか)を聞いてみるのも良いでしょう。

焦って登録する必要はありませんが、「知らない」「関係ない」と完全に無視してしまうのは、将来的なリスクになる可能性もあります。

まとめ:未来への「切符」になる可能性も? まずは情報収集を続けよう

建設キャリアアップシステム(CCUS)。それは、建設業界の働き方を変え、技能者の未来を明るくするための、まだ始まったばかりの大きな実験とも言えます。

現時点では、手間やコストに見合うメリットを実感しにくいと感じる社長さんも多いかもしれません。しかし、将来的には業界のスタンダードとなり、CCUSに対応しているかどうかが、仕事の受注や人材確保において重要な要素になる可能性も秘めています。

すぐに結論を出す必要はありません。まずは、自社の状況を踏まえつつ、業界の動向や新しい情報にアンテナを張り続けること。そして、信頼できる情報源(建設業団体、元請け企業、専門家など)から、客観的な情報を得て、冷静に判断していくことが大切です。

あなたの会社にとって、CCUSが未来への「切符」となるのか、それとも当面は様子見で良いのか。じっくり考えていきましょう。


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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対するアドバイスではありません。建設キャリアアップシステム(CCUS)に関する最新情報や詳細、登録手続き等については、必ず公式サイト(建設業振興基金 CCUSサイト)をご確認いただくか、関係機関にお問い合わせください。

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