「ウチの職人たちの腕は確かなんだけど、なぜか次の仕事に繋がらないんだよなぁ…」
「お客さんにもっと喜んでもらって、評判の良い会社にしたいんだけど、どうすればいいんだろう…」
日々、現場の品質向上や職人さんの育成に心を砕いている建設業の社長さん、本当にお疲れ様です。技術力はもちろん会社の根幹ですが、「良い仕事」をしているはずなのに、なぜかリピートや紹介が少ない…と感じることはありませんか?
もしかしたら、その理由は「技術」以外の部分、つまり現場全体の「空気感」にあるのかもしれません。お客さんは、完成したモノだけでなく、工事中の現場の雰囲気や職人さんの立ち居振る舞いも、意外とよく見ているものです。
この記事では、技術力に加えて、お客さんや元請けさんから「また、あの会社にお願いしたい!」と思ってもらえるような、現場の良い「空気感」を作るための具体的なヒントをご紹介します。特別なことをする必要はありません。明日からできる、ちょっとした意識と行動の積み重ねが、現場の雰囲気を変え、会社の未来を明るく照らすかもしれませんよ。
技術だけじゃない!なぜ今、現場の「空気感」が大切なのか?
今の時代、どの建設会社も技術力の向上に努めています。もちろん、高い技術力は不可欠ですが、それだけで他社と大きく差をつけるのは難しくなってきているのも事実です。
では、お客さんや元請けさんは、技術力以外に何を見ているのでしょうか?
それは、「この会社に任せて安心か」「気持ちよく仕事をお願いできるか」といった、工事全体のプロセスに対する満足度、つまり現場の「空気感」です。
- 職人さんたちの挨拶が気持ちいいか?
- 現場はきちんと整理整頓されているか?
- 近隣への配慮はできているか?
- 職人さん同士、楽しそうに仕事をしているか?
- 何かあった時に、相談しやすい雰囲気か?
こういった、一つ一つの要素が積み重なって、現場全体の「空気感」を作り上げます。そして、この「空気感」が良い現場は、
- お客さんの満足度が高まり、信頼関係が深まる。
- 結果として、リピートや紹介につながりやすくなる。
- 職人さん自身のモチベーションや安全意識も向上する。
- 元請けさんからの評価も上がり、継続的な受注につながる。
といった、たくさんの良い効果を生み出してくれるのです。
良い「空気感」はこうして作られる!技術+αの3つの要素
では、具体的にどうすれば、現場の良い「空気感」を作り出せるのでしょうか? 大切なのは、日々の業務に「+α」の意識を加えることです。ここでは、特に重要な3つの要素をご紹介します。
① 気持ちの良いコミュニケーション(挨拶・言葉遣い・声かけ)
コミュニケーションは、現場の空気を作る基本中の基本です。
- 挨拶は元気よく、誰にでも: 職人さん同士はもちろん、現場に出入りする業者さん、そして何より施主さんや近隣住民の方への元気で丁寧な挨拶は、現場の第一印象を決めます。「おはようございます!」「お疲れ様です!」の一言で、場の雰囲気が明るくなります。
- 丁寧な言葉遣いを心がける: 仲間内だからといって、乱暴な言葉遣いや高圧的な指示が飛び交う現場は、周りから見て気持ちの良いものではありません。「〜してもらえますか?」「〜お願いします」といった丁寧な依頼や、「ありがとう」「助かるよ」といった感謝の言葉が自然に出るように意識しましょう。
- ポジティブな声かけを増やす: ミスを指摘することも必要ですが、それ以上に「ナイス!」「いい仕事してるね!」といった承認や称賛の言葉を意識的に増やすことで、現場の士気は高まります。
② 目に見える「きちんとしてる感」(整理整頓・清掃)
現場がきれいに片付いているかどうかは、その会社の仕事ぶりを表す鏡のようなものです。
- 整理整頓は安全と安心の基本: 資材や道具が整理整頓されている現場は、見た目が良いだけでなく、作業効率が上がり、事故のリスクも減ります。何より、お客さんに「しっかりした会社だな」という安心感を与えます。
→ 関連記事: [(仮)なぜ、片付いている現場は儲かるのか?建設業版「5S」実践のススメ] - 道具の定位置管理を徹底: 「あれどこだっけ?」と道具を探す時間はムダですし、紛失にも繋がります。工具箱の中を整理したり、棚に置き場所を表示したりして、「使ったら元に戻す」を徹底しましょう。
- 一日の終わりの清掃を習慣に: その日の作業が終わったら、現場周りをきれいに掃除する。これは、単にきれいに するだけでなく、「自分たちの仕事場を大切にする」というプロ意識の表れであり、お客さんへの配慮にも繋がります。
③ スムーズな連携プレー(報連相・段取り・協力体制)
良い現場は、チームワークが良い現場でもあります。そのためには、スムーズな連携が欠かせません。
- 「報・連・相」は確実に: 「報告・連絡・相談」がきちんと行われている現場は、情報の行き違いや手戻りが少なく、作業がスムーズに進みます。特に、問題が発生しそうな時や、判断に迷う時は、早めにリーダーや社長に相談する文化を作りましょう。
- 段取り八分でムダをなくす: 事前の段取りがしっかりしていれば、現場での手待ち時間や混乱を減らすことができます。社長や現場リーダーは、職人さんがスムーズに作業に入れるよう、的確な指示と情報共有を心がけましょう。
→ 関連記事: [(仮)ダンドリ八分!職人が最大限の力を発揮できる現場の作り方] - 「お互い様」の協力体制: 自分の仕事が終わったら他の人を手伝う、困っている人がいたら声をかける、といった「お互い様」の精神が根付いている現場は、自然と雰囲気が良くなります。
「空気感」づくりは社長から! リーダーシップで現場を変える
現場の「空気感」を変えるには、やはり社長のリーダーシップが不可欠です。
- まず社長がお手本を: 社長自身が誰よりも元気な挨拶をし、現場の整理整頓を心がけ、丁寧な言葉遣いを実践する。その姿を見て、職人さんたちも自然と変わっていきます。
- 「良い空気感」の重要性を語る: なぜ挨拶や整理整頓が大切なのか、それがどう会社の評判や次の仕事に繋がるのかを、朝礼やミーティングの場で、繰り返し自分の言葉で伝え続けましょう。
- 良い行動を具体的に褒める: 「〇〇さんの挨拶、いつも気持ちいいね!」「今日の現場、すごくきれいに片付いてるね、ありがとう!」など、良い行動を見つけたら、具体的に、そして皆の前で褒めることで、他の職人さんの模範にもなります。
- 意見を言いやすい雰囲気を作る: 職人さんからの「もっとこうした方がいいのでは?」という提案や意見を、頭ごなしに否定せず、まずはしっかりと耳を傾ける姿勢を示しましょう。「社長に相談しやすい」と感じる職場は、風通しが良くなります。
→ 関連記事: [(仮)社長の想い、ちゃんと届いてる?会社の一体感を“ぐっと”高める方法]
まとめ:「また頼みたい」と思われる、誇れる現場を
「次も、あの会社でお願いしたい!」
そう言ってもらえる現場を作るために、技術力と同じくらい大切なのが、現場の「空気感」です。気持ちの良いコミュニケーション、きれいに整頓された環境、そしてスムーズなチームワーク。これらは、特別なことではなく、日々のちょっとした意識と行動の積み重ねによって作られていきます。
良い空気感は、一朝一夕にできあがるものではありません。でも、社長が率先して取り組み、その大切さを伝え続けることで、現場は必ず変わっていきます。
お客さんからも、元請けさんからも、そして一緒に働く職人さんたちからも愛される、そんな「良い空気感」の現場を、社長のリーダーシップで一緒に作っていきませんか? それが、会社の評判を高め、未来の仕事へと繋がる確かな道筋になるはずです。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対するアドバイスではありません。具体的な取り組みについては、ご自身の判断でお願いいたします。