「求人を出しても、全然応募が来ないんだよなぁ…」
「若い人はみんな、大きな会社に行っちゃうんだろうな…」
「ウチみたいな小さな会社に、良い人材なんて来てくれるわけがない…」
深刻化する人手不足。建設業界、特に中小規模の会社を経営する社長さんにとって、「人」に関する悩みは尽きませんよね。募集をかけても反応が薄かったり、ようやく採用できてもすぐに辞めてしまったり…。そんな状況が続くと、「どうせウチには無理だ」と、諦めムードになってしまう気持ちも、痛いほど分かります。本当にお疲れ様です。
でも、ちょっと待ってください! 本当に諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。 大手企業と同じ土俵で戦う必要はないんです。小さな会社には、小さな会社ならではの魅力があり、それを求めている人材も必ずいます。
この記事では、「どうせウチには…」と下を向いてしまいがちな社長さんに向けて、小さな建設会社が「欲しい人材」と出会うための、ちょっと視点を変えた採用戦略のヒントを具体的にお伝えします。お金をかけなくても、今すぐ始められる工夫がきっと見つかるはずです。
なぜ、大手と同じやり方では勝てないのか?【現実を知る】
まず、冷静に現実を見てみましょう。なぜ、中小建設会社の採用は難しいのでしょうか?
- 知名度の差: 大手企業のようなブランド力や、テレビCMなどの広告力はありません。会社の名前自体を知ってもらうことから始めなければなりません。
- 待遇面の差: 給与や福利厚生、休日日数などで、どうしても大手に見劣りしてしまう場合があります。
- 採用にかける予算・人員の差: 専任の採用担当者がいるわけでもなく、社長自身が他の業務と兼任しているケースがほとんど。広告費も潤沢には使えません。
- 「安定志向」とのギャップ: 将来性や安定性を求めて、大きな組織を選ぶ求職者は依然として多いです。
これらの「差」がある以上、大手と同じように求人サイトに情報を載せているだけでは、なかなか応募が集まらないのは、ある意味当然かもしれません。
発想を転換!あなたの会社の「隠れた武器」は何ですか?
「じゃあ、やっぱり無理じゃないか…」
いえいえ、ここからが本番です! 大手にはない、あなたの会社ならではの「魅力=武器」が必ずあるはずです。それをまず見つけ出すことから始めましょう。
【あなたの会社の「武器」発見ワーク】
少し時間を取って、考えてみてください。紙に書き出すのがおすすめです。
- 社長との距離が近い: すぐに相談できる、社長の考えが直接聞ける、意思決定が速い。
- 仕事の「手触り感」: 最初から最後まで、一つの現場に深く関われる。自分がやった仕事の成果が直接見える。
- 成長スピード: 若いうちから色々な仕事を任せてもらえる。早く一人前になれるチャンスがある。
- アットホームな雰囲気: 社員同士の仲が良い、家族的な雰囲気がある。
- 地域への貢献: 地元のインフラを支えている、地域の人々との繋がりが深い。
- 特定の技術・ノウハウ: 他社には負けない、専門的な技術や得意分野がある。
- 転勤がない: 地元で腰を据えて働ける。
どうでしょうか? いくつか思い浮かびましたか? これらが、大手企業にはない、あなたの会社の「売り」になるのです。待遇面で劣っていても、「この会社で働きたい!」と思ってもらえる魅力は、必ず見つけられます。
欲しい人材はどこにいる? 「待ち」から「攻め」の採用へ!
自社の「武器」が見つかったら、次はそれを「誰に」「どうやって」届けるかです。ただ求人を出して待つだけでなく、少し「攻め」の姿勢で動いてみましょう。
① どんな人に来てほしい?「ターゲット」を絞る
「誰でもいいから来てほしい」では、結局誰にも響きません。「こんな人に来てほしい」という人物像を具体的にイメージしましょう。
- 経験豊富な即戦力? それとも、やる気のある未経験者?
- 黙々と作業するのが得意な人? それとも、コミュニケーションが得意な人?
- どんな価値観を持っている人?(例:チームワークを大切にする、新しいことを学ぶ意欲がある)
ターゲットが明確になれば、どんな情報を、どの媒体で発信すれば響くかが見えてきます。
② あなたの会社の魅力を「見える化」して発信する
ターゲットに響くように、自社の魅力を「見える化」して発信しましょう。
- 自社ホームページやブログを活用する:
- 会社の雰囲気(写真や動画をたくさん使う!)
- 社長の想い、創業ストーリー
- 活躍している社員の声(インタビュー記事など)
- 手がけた工事の実績(ビフォーアフター写真など)
- お金をかけなくても、無料のブログサービスなどを活用できます。
- SNSを味方につける (Instagram, Facebook, TikTok など):
- 現場のリアルな日常風景(職人さんのカッコいい姿!)
- 会社のイベント(飲み会、BBQなど)
- 社長のつぶやき(人柄が伝わるように)
- ターゲットが見ていそうなSNSを選んで、こまめに更新することが大切。
- ハローワークの求人票を工夫する:
- 単なる条件だけでなく、「仕事のやりがい」「どんなスキルが身につくか」「会社の雰囲気」「社長はこんな人」など、具体的な情報を盛り込みましょう。写真も掲載できる場合があります。
- 地域との繋がりを活かす:
- 地元の工業高校や専門学校に直接アプローチしてみる(出前授業やインターンシップ受け入れなど)。
- 地域のイベントやボランティア活動に積極的に参加し、会社の存在を知ってもらう。
③ 最強の採用ルート?「紹介(リファラル)」を強化する
社員の友人や知人を紹介してもらう「リファラル採用」は、ミスマッチが少なく、定着率も高い傾向があります。
- 社員に「紹介したい」と思ってもらえる会社にする: 働きがいがあり、雰囲気が良いことが大前提です。
- 紹介制度を作る: 紹介してくれた社員へのインセンティブ(報奨金など)を用意する。
- 日頃からの声かけ: 「誰かいい人いないかな?」と、普段から社員に声をかけておく。
④ まずは「知ってもらう」ことから。「体験・見学」の機会を作る
いきなり応募はハードルが高いと感じる求職者もいます。
- 職場見学・現場見学: 会社の雰囲気や実際の仕事内容を、気軽に見てもらう機会を作りましょう。
- 短期のアルバイトや体験入社: まずは短期間働いてもらい、お互いに相性を見る。
面接は「見極め」だけでなく「口説く」場でもある
ようやく応募があったら、面接です。スキルや経験も大事ですが、それ以上に「この人と一緒に働きたいか」「会社の雰囲気に合うか」という人柄や価値観のマッチングを重視しましょう。
- 会社の魅力をしっかり伝える: 面接は一方的に選考する場ではなく、自社の魅力を伝え、相手に入社したいと思ってもらう「口説き」の場でもあります。
- 相手の話をよく聞く: なぜウチの会社に興味を持ったのか、どんな働き方をしたいのか、将来どうなりたいのか、じっくり耳を傾けましょう。
- 正直に話す: 良いことばかりでなく、会社の課題や大変な面も正直に伝えることで、入社後のギャップを防ぎ、信頼関係を築けます。
まとめ:諦めなければ、道は開ける!
小さな建設会社の人材採用は、決して簡単ではありません。でも、「どうせウチには…」と諦めてしまったら、そこで終わりです。
大手にはない、あなたの会社ならではの「武器」は必ずあります。それを見つけ出し、磨き、「欲しい人材」に届くように、知恵と工夫で発信し続けること。そして、出会えた候補者と誠実に向き合い、お互いを理解し合うこと。
お金をかけなくても、できることはたくさんあります。採用は、一朝一夕に結果が出るものではありません。でも、社長が諦めずに情熱を持って取り組み続ければ、きっと「この会社で働きたい!」と思ってくれる素敵な人材との出会いが待っているはずです。応援しています!
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対するアドバイスではありません。採用活動に関する最終的な判断は、ご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談ください。